痩せるために「随伴性のワナ」から抜け出せ!

糖質制限の実践を邪魔するものがある。それが、心理学で言う「随伴性のワナ」である。

「随伴性」とは、人間の行動や出来事が、別な行動や出来事と結びついていることを意味する。

例えば、人がお酒を飲むという行為は、単にアルコールを摂取したいからではない。それは、食事を美味しくしたり、ストレス解消になったり、人とのコミュニケーションを保ったり、夜、寝る前の儀式であったりする。

では、同じことをアルコールの力を借りなくても出来ないか、考えてみよう。例えば、ストレス解消が目的なら、ビールではなく、糖質ゼロのビールテイスト飲料だっていいはずだ。

また、職場でのコミュニケーションなら、仕事中にいくらでも深めることが出来る。夜、寝る前に運動して、身体を動かすだけでも、アルコールを飲む必要がないかもしれない。もちろん、本物のアルコールの力が必要な時は、その力を借りればいい。

しかし、人は往々にして、この「随伴性のワナ」に引っかかって、本当に必要でない時まで、アルコールをついつい口にしてしまったりする。だが、本当に必要なのは、その三分の一にも満たないだろう。残りは、まさに「随伴性のワナ」にはまってしまうパターンである。

従来の人間関係のパターンを壊さないようにするために、本当に必要がない場合でも、無理に行ったりすることが多いのだ。その結果、自分で環境や習慣を支配するのではなく、つい環境や習慣に支配されてしまうようになる。

糖質制限を始めると、それまで自分と関係を持つ相手役につい合わせて、その結果、振り回されてしまっていた人も、自立し、自分の判断である程度、行動を選択するようになる。

その結果、人は、あの人は冷たくなったと離れていくだろうか。むしろ逆だ。

糖尿病でそれほど血糖値が上がっているなら、あるいはメタボで不健康になっているなら、それを是正した方がいいと誰もが思うはずである。

そして、その実践のために、勇気を持って、立ち上がったあなたを応援してくれる人こそ、本当に付き合うべき友であり、人間関係を保ってもいい人々である。

そういう人達とは、限られた機会の中でも、積極的にコミニュケーションを取る機会を持とう。

そして、本来は不必要なのに「随伴性のワナ」に引っかかって、ついつい無駄な飲酒や飲食を行っている機会をできる限り減らした方がよい。

私も、糖質制限する前と後とでは、周囲の人間関係が大きく変わった。そして、「絆」が濃くなった人とは、更に濃く結びつている。

 

ダイエットを成功するには多少の我慢も必要

本当に糖質制限を実践しようと思ったら、自分のこれまでの「快適な生活習慣」から抜け出し、少しの間、不快になることを我慢し、しばらくそれに慣れるしかない。

二週間を過ぎる頃から、それまでブヨブヨだったお腹の肉が急に取れて、ベルトの穴が2つ分くらい縮まったと実感出来るようになる。

本人は気が付かないが、痩せた姿は、その人の後ろ姿や、全身のプロポーションの変化となってハッキリと現れる。

私も三週間で20キロ痩せた時、知り合いの編集者と道ですれ違っても、相手が私と気付かずに通り過ぎて行ったほどだ。

最近では、糖質の過剰摂取が見た目の老化の原因となることも分かってきた。

つまり、同じ年齢でも、糖質制限をしている大としない大では、見た目で10~15歳ぐらい差がある。

見た目が年を取っているということは、それだけ、身体の内部も老化しているということだ。

しかし、そんな状況になっても、三週間糖質制限すれば、見事にスリムになり、外見も若返ることが出来る。

こうなると、新しい生活習慣に慣れるまでの少しの不快さ、不器用な面倒臭さも気にならなくなる。

すると、ここに来てようやく、「自分はやれば出来る」とか「これまで失敗続きだった過去を変えられる」と思うようになる。

心理学用語でいうと「自分はだからダメなんだ」という、過去思考の「原因論」、すなわち、失敗の原因探しから、どうすればよりよい「未来」を築くことが出来るか。その実践方法を探す「未来志向」の生き方になる。

人は、本来、心の中が矛盾対立するものではなく、一人一人が分割不能なトータルな存在だからだ。

つまり、形だけ、糖質制限しようと思っても、現実に行おうとすると、なかなか実践出来ない。

やはり、自分の心の中で、「糖質制限して、新しい自分に生まれ変わろう」という気持ちがないと、人は行動出来ない。それほどまでに、理性と感情、意識と無意識などが、混然一体となっているからだ。

事実、糖質制限は、人に勧められて嫌々行うより、自分自身で、より健康になり、より新しく生まれ変わろうと思わないとなかなか実践出来ないものである。

そして、どうせ行うなら、まず、自身がその効果を信じて、しばらくの間やってみる。

そうした「心の中の励まし」や「小さな決意」があると、更に効果が増してくる。だから、「これまでの自分」を変えてみようという「小さな勇気」を持って、出来ることから始め、それを続けて自信をつける。そして、決して「勇気くじき」の悪しきパターンに陥ってはならないのだ。